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第2章:紙がなくなれば、昇給も有休も?? 苦難を乗り越える度に変わっていくファミーユ

目次

紙の山を越えて見つけた改革の扉

前章では、「休みを取らせたい──」という単純な願いが、応募ゼロの絶望とM&A、そしてバラバラの運用の苦悩についてお話ししましたが、事業所垣根を越えて運用を標準化・ペーパーレスを進めていくお話しをしたいと思います。

LINE WORKSが紡いだペーパーレスの物語

標準化をどうするかと考えた時に、訪問介護という職員のほとんどが各自の現場で仕事をすることの特殊性に着目し、前々から情報共有ツールの重要性を認識していました。もっとも非効率にしているのは、利用者様に関する情報が事務所の台帳にしかないこと。シフトの伝達は電話が中心。そして訪問記録の控えは各利用者様宅から集めてこなくてはならないこと・・・。そんな当たり前を疑い、LINE WORKS・カイポケ訪問記録を導入して、情報を集約していきました。

  • シフト・訪問記録・勤怠報告ー>カイポケ訪問記録へ

  • 利用者様の基本情報や手順書ー>LINE WORKSへ

  • 月次ミーティングのアジェンダ共有、リモート会議資料->LINE WORKSで整備

  • 給与明細、個人処遇・雇用契約、OJT履歴→LINE WORKSへ整備

導入当初は違和感があったものの、スマホ一台でファミーユでの仕事のあらゆる情報が届く安心感が徐々に現場を包み込み、「シフトはカイポケ・情報共有が必要なものはLINE WORKSへ」という文化が徐々に根付いていきました。

コロナ禍が蒔いた統合への種

2022年8月、一度に8名が感染・濃厚接触でお休み──。
「これ以上、サービスを続けられない」
そう思った瞬間、事務所の枠を越えたリカバリーを決断しました。少し強引な面もあったとおもいますが、利用者様・職員さんに理解を得て、違う事業所から職員さんを派遣しました。
その時、強力なツールになったのは前述のLINE WORKやカイポケ訪問記録 といったペーパーレスのツールでした。標準化された情報共有や報告のツールの中では、新しい利用者様の情報の共有や、シフト・訪問記録・勤怠といった手順が共通なため、対象の利用者様の情報グループにメンバー追加するだけで、事業所の垣根を超えたサービスが実現できてしまったのです。

それこそが、事業所統合の気づきになります...
「あれなんで3つも事業所あるのだっけ? いらないのでは?」
2023年3月、それまで 春日井市・名古屋市に3か所あった事業所は統合されて、ファミーユヘルパーサービス名北 となるのです。

統合と飛躍:ヘルパーサービス2.0の誕生

2023年3月、3拠点を一つに統合し「ファミーユヘルパーサービス名北」として再スタート。
事業所を統合するということは、例えば家賃が不要になったり、マネジャー達の管理業務がスリムになることを意味しています。また、同様に紙を捨て・標準化したことで生まれた余剰資金を、スタッフの報酬に還元する意思決定を行いました。

  • 家賃や間接業務コストを削減し、浮いた資金を人件費へ

  • 2023年は4回の昇給を実施し、業界最高水準の報酬を実現

  • Digiサイン導入で最後の「利用者様のサインは紙で…」という紙神話を崩壊させ、最後の牙城(台帳)を完全廃止

報酬増に併せて職員の応募が増え、統合当初30名弱だったチームは、2024年末には70名体制へ急拡大。
「やっと、人員が統合・増加し、希望するお休みが取れる──」
渇望してきた“休みの安心”が、ついに現実となった瞬間でした。

ペーパーレスの安心感、報酬増、そしてホワイトな就労環境・休暇の自由度── これこそが「ヘルパーサービス2.0」です。

次なる一歩:サービス3.0への航海

ヘルパーサービス2.0で得た「仕組みの力」と採用増を土台に、次は高度な自動化が次々と・・・ 新たなテクノロジーで、利用者様とヘルパーの未来をもっと豊かにしていきます。


次回は、現在ファミーユで推進中の サービス3.0をご紹介します。こんなファミーユに興味をもたれた方は コチラもご覧ください。


草野淳@ファミーユグループ代表
東北大学法学部卒業。アマゾン・ミスミグループなど国内外の人事マネジャーを歴任。人事制度・評価制度の構築の他、独学でITを習得し、多くの人事関連の業務効率化を主導。関連書籍も執筆。2021年からファミーユヘルパーサービス名北の管理者兼サービス提供責任者。


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