
非常識な間接業務効率化 発展形「行かない事務」を公開

「100人でも、事務は基本1人。」——それが、ファミーユの当たり
ファミーユグループは、2025年現在で100名近い職員、4つの拠点を抱える組織へと成長しました。
その全体を支えるバックオフィスの体制。
「それだけの人数がいれば、事務員も何人もいるのですか?」
…そう聞かれるたびに、私たちはこう答えます。
「いえ、基本的に正社員1名です」
— 給与計算
— 社会保険・労働保険の手続き
— 経理・会計処理
— 購買
— 各種助成申請、行政対応
— 書類管理・IT整備・記録モニタリング…
こんなにも多岐にわたる業務を、基本的には“たった一人”で担っているのです。
特徴的なのは士業さんや、アウトソースと言った外に業務を出すだけの方策は、ほとんど無く、実質的な業務を効率化して1人体制でも行えているという点です。
なぜ、それが可能なのか?
その秘密が——
**「行かない事務」**という仕組みです。
行かない事務は、こうして生まれた。
「行かない事務」は、突然できあがったものではありません。
私たちが繰り返し試行錯誤しながら、**“クラウドサービスで置き換えられるところはないか”**を一つひとつ検討し、組み合わせ、仕組みとして形にしてきた結果です。
クラウド化で“物理的に行かない”
たとえば、以下のような業務を、すべて“クラウド完結”に移行しました:
- 経理・決算準備:MFクラウドでの自動仕訳・月次レポート・決算書8割完成
- 勤怠・給与計算:カイポケ訪問記録で集まってくるデータをMFクラウドで処理
- 社保手続:e-Gov連携による手続きの電子化
- 税務・納税:e-Tax、eLTax、pay-easy、申請総合ソフトよる完全オンライン化
- 銀行業務:ネットバンクを全面的に活用
- 購買:Amazon・アスクル等の活用
- 税務・納税:e-Tax、eLTax、pay-easy、申請総合ソフトよる完全オンライン化
- 郵送・書類配送:クリックポスト
最大の特徴:士業や外注に“丸投げしない”方針
他社では社労士や税理士に委託される業務を、ほとんど社内でこなしています。
- 給与計算も、社会保険の手続きも、社員証や勤怠も、自社で設計・処理・運用
- 決算も、税理士に依頼するのは最終提出とチェックのみ(仕訳・決算書は自前で作成)
これが可能なのは、クラウドで処理しやすい業務構造を、最初から自社で考え抜いているからです。
つまり、「どのクラウドをどう使うか」も、人任せにはしません。
アウトソースは“最後のピース”として位置づける
数少ないアウトソース例として、**fondesk(電話代行)**があります。代表電話をアウトソース先で受けてくれていて、内容をテキストでラインワークス、Botが受けてくれるというものです。
その前段階として、我々は「電話を受けない様にするには?」ということを考察しました。サービスに入ることもある断続的な仕事なので、相手とのタイミングを合わせて折り返し合戦をしなくてはならない電話でのやりとりは、極力なくそうど思ったからです。結論として、ラインワークス⇔ラインを繫いで、関係者一同で情報連携できる仕組みを優先してつながっていきました。
それでも残る一部の代表電話は、タイミングを気にしなくて良く、ラインワークスとも相性が良いfondeskにしたというわけです。
職員も“通わず”働ける会社へ。次のDXフェーズが始まっている
ファミーユが掲げる「ヘルパーサービス4.0」は、現場のマッチングや運営の仕組みを構造から変えていく挑戦です。
その動きに合わせ、バックオフィスも“職員が通わずに働ける仕組み”へと進化しています。
入社から稼働まで、ポータル完結へ
すでに以下のような工程は整備されつつあります:
オンライン入社フォーム
雇用契約書の自動生成・電子署名
書類アップロード・マイナンバー提出のクラウド化
勤怠やLINE WORKSなどへの初期登録
職員証を職員自らが印刷・作成できる仕組み
給与明細・源泉徴収票はポータルから確認
将来的には、RPAや連携APIを活用し、フォーム入力だけで複数システムに情報が自動反映される構造も見据えています。
こうした設計が進めば、職員一人ひとりの働きやすさがDXによって大きく支えられるのです。
大量エントリー時代も「1人の事務」で回る設計へ
今後、エントリー数・職員数が加速度的に増えていく中でも、
私たちは仕組みでそれに応える準備を整えつつあります。
必要なのは人手ではなく、「止まらず、迷わず、繰り返せる仕組み」です。
それを構築してきたからこそ、100人を超える会社でも事務体制は変わらず、運用が崩れないのです。
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東北大学法学部卒業。アマゾン・ミスミグループなど国内外の人事マネジャーを歴任。人事制度・評価制度の構築の他、独学でITを習得し、多くの人事関連の業務効率化を主導。関連書籍も執筆。2021年からファミーユヘルパーサービス名北の管理者兼サービス提供責任者。