移動時間は労働時間にならない と それホント!?
皆さんは、訪問介護における移動時間について、正しく理解していますか?
「登録バイトなので、シフト時間しか時給は発生しないと言われた。」
「正社員で働いているが、移動時間も、サービスとサービスの空き時間も労働時間ではないと言われている」
など、問題がある実態は良く聞きます。実際はどうなのでしょうか?
訪問介護の移動時間が労働時間となる理由
訪問介護の移動時間は、原則として労働時間に含まれます。これは、労働基準法に基づく考え方です。なぜ移動時間が労働時間とみなされるのか、その理由を見ていきましょう。
- 業務遂行に必要な時間だから: 訪問介護は、利用者宅を訪問してサービスを提供する仕事です。そのため、事業所から利用者宅への移動、そして複数の利用者宅を回る際の移動は、業務を遂行するために不可欠な時間とみなされます。
- 労働者の自由な支配下におかれない時間だから: 移動中は、事業所の指示のもとに行動し、自由に使える時間ではありません。そのため、労働時間とみなされます。
具体的に、どのような移動時間が労働時間になるのか?
- 事業所から利用者宅への移動時間
- 複数の利用者宅を回る際の移動時間
- 業務報告書の作成などのために必要な移動時間
これらの移動時間は、原則として労働時間となります。
移動時間が労働時間にならないケースもある?
例外的に、移動時間が労働時間に含まれないケースもあります。
- 通勤時間: 自宅から事業所への移動時間は、労働時間には含まれません。
- 15分未満の短い移動時間: 一部のケースでは、15分未満の短い移動時間は労働時間に含まれないとみなされることがあります。
移動時間が労働時間とみなされないことの弊害
移動時間が労働時間とみなされない場合、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 賃金未払い: 移動時間分の賃金が支払われない。
- 労働時間の過少申告: 労働時間が実際よりも少なく申告される。
- 労働者の負担増: 労働時間が過少に評価され、労働者の負担が増大する。
労働基準監督署への相談
もし、あなたの勤務先で、移動時間に関する問題が生じている場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。労働基準監督署では、労働条件に関する相談を受け付けており、無料でアドバイスを受けることができます。
ファミーユヘルパーサービス名北の取組
ファミーユヘルパーサービス名北では、正社員もパート社員も、複数のシフトに同じ日に入るなら、移動時間は勤務時間としています。ただ、すべてのパターンの実態を計算することが困難なため、地域別に平均的な移動時間を勤務時間として計上しています。また、正社員の場合、シフトとシフトの間の時間は、移動時間であるのは、もちろんのこと、間接業務を行う時間として、ノートPCやスマホでリモートワークができる環境を整えています。
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参考文献
- 厚生労働省「訪問介護労働者の移動時間等の取扱いについて」(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/041115-1a.pdf)
東北大学法学部卒業。アマゾン・ミスミグループなど国内外の人事マネジャーを歴任。人事制度・評価制度の構築の他、独学でITを習得し、多くの人事関連の業務効率化を主導。関連書籍も執筆。2021年からファミーユヘルパーサービス名北の管理者兼サービス提供責任者。
免責事項: この記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、法的アドバイスではありません。